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不可思議な少年 様

at 2006 04/29 16:50 編集

No.477
 
不可思議
 
 
時の扉
 
サルサに抱かれた常夏の楽園の
陽気なアコーディオンの調べも
 

今は耳に入らない
 

テラスから見渡す丘陵の際には
慈しみの光あまねく照り映えて
 

それさえ眼に入らない
 

風に揺らいだ窓の真っ白な枠が
青空をもぎ立ての果実に仕立て
 

そんな貢物さえ今は後回し
 

眺めるともなく頬杖して佇めば
涼風がドレスを優しく撫で包み
 

やっと心待ちの使者が来た
 

おもむろに浮かぶ真紅の風船を
目の端で追いかけたとき不意に
 

時の扉は開かれた
 

今このときの幸せにつながった
辛い別れとその受け入れまでの
 

長い長い時の悪戯
 

寒さに震えて怯えきった少女が
時の柱の影から私を伺っている
 

涙がとめどなく溢れ出す
 

ふとわれに返れば真紅の風船は
はるか高みからの招きを受けて
 

人の所有物ではなくなった
 
 
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オルフェの返し詩
 
 
目覚めの床より眺める空に
 
舞う鳶の歌は聞き流す


テレビで見たいのは

君が住む地の今日のお天気


PCを立ち上げれば

我に届く君の言葉


また一喜一憂の

一日が始まる


音楽が色を持ち

風の運ぶ詩に想いを託す


莫大な心を費やす

無為な一日


我に空白を与え

我が空白を埋めるもの


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